【ニュース・アメリカ】2018年に外部研究機関に付与されたNIH助成、約3%の研究プロジェクトで財務的利益相反が発覚(9月30日)

厚生省(Department of Health and Human Services)監査総監室(Office of Inspector General:OIG)は9月25日、厚生省傘下機関である国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)から助成を受給する外部研究事業に関し、財務的利益相反の現状を検証した報告書「NIHは、外部研究事業における財務的利益相反の検証で前進したものの、さらなる前進が可能(NIH Has Made Strides in Reviewing Financial Conflicts of Interest in Extramural Research, But Could Do More)」を発表した。

 
これによると、2018年にNIHから付与された研究助成事業5万5,600件のうち、約3%の研究事業において、関与する研究者最低1人に利益相反があったことが発覚したという。具体的に、NIH助成を受給した研究機関2,064組織のうち、202組織において財務的利益相反が確認され、助成1,668事業において、少なくとも各1件の利益相反が確認されたとしており、合計3,978件の明らかな財務的利益相反が判明したとしている。利益相反に関与した研究者の約半数は、当該企業の株式を保有し、約25%は、サービスに対する支払いに関与していたという。

 
但し、株式非公開会社の株式が関連していることが多く、利益相反の金額が判明したのは全体の約45%のみとしている。また、規模に関しては、全体の85%の利益相反が10万ドル以下としている。また、NIH傘下の研究所によって、報告された利益相反に関する情報の精査度合いが異なることから、これらのばらつきの修正をNIHに強く要請している。さらに、特に外国との利益相反に関し、NIH研究所は厳格な調査を行うべきと提案した。
 
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
 
Science: Three percent of NIH grants involved a direct financial conflict of interest, watchdog report finds

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