米大学院協議会(Council of Graduate Schools:CGS)は10月3日、大学院進学適性試験(Graduate Record Examination:GRE)と共同で作成した報告書「CGS/GRE大学院在籍・学位取得状況:2007年~2017年(CGS/GRE Graduate Enrollment & Degrees: 2007-2017)」を発表した。これによると、2017年秋学期の米国大学院新入生数は、前年秋学期から0.1%減、出願者数は同1.8%減となったという。
但し、全体的な出願者数が減少した一方で、ビジネス(4.5%増)、行政・公共サービス(1.9%増)、教育(1.8%増)、及び、数学・コンピュータ科学(1.7%増)などを専攻する出願者数は増加していることが判明した。
主な結果は以下の通り。
- 米国市民権・永住権を保有する大学院新入生数は、前年同期比1.1%増であったのに対し、大学院新入留学生数は同3.7%減。但し、カーネギー分類(Carnegie Classification)で「R1」に分類される最高レベルの研究博士課程を有する大学では前年同期比3.0%増。大学院新入留学生数の減少は2年連続で、2003年以降、2年連続で留学生数が減少するのは2回目。
- 前年同期と比較して大学院新入生数の増加率の高い専攻分野は、コンピュータ科学(3.8%増)とビジネス(3.7%増)。一方、工学専攻の新入生数は前年同期比3.8%減。
- 調査に回答した大学院の2017年秋学期在籍学生総数は180万人超で、そのうち74%は修士課程に在籍。また、全体の57.9%は女子学生であるが、STEM分野の大部分では男子学生が大半。
- 大学院出願者数が前年同期から減少した専攻分野は、工学(7.3%減)、芸術・人文科学(1.8%減)、物理・地球科学(0.6%減)、生物・農業科学(0.4%減)など。
- 2015-16学年度と2016-17学年度を比較すると、博士号取得者数は1.7%増で、修士号取得者数は4.6%増。修士号取得者数の増加率の高い専攻分野は、数学・コンピュータ科学(13.6%増)、衛生科学(4.7%増)など。
- 2017年秋学期入学の大学院新入生のうち、米国市民権・永住権保有者の約23.9%はマイノリティで、特にSTEM(science, technology, engineering, and mathematics)分野では、米国・アラスカ先住民、黒人・アフリカ系、ヒスパニック・ラテン系の大学院新入生の割合が低い。
- 2017年秋学期入学の大学院新入生のうち、米国市民権・永住権保有者は全体の79.7%で、留学生が20.3%。
- 大学院新入留学生の占める割合が最も高い専攻分野は数学・コンピュータ科学(56.3%)で、工学(52.9%)がこれに続く。
なお、本報告書は、以下からダウンロード可能(PDF:2.40MB)。
CGS/GRE Graduate Enrollment & Degrees: 2007-2017 report.
2018年10月3日
Council of Graduate Schools:First-Time Enrollment Holds Steady, Application Counts Slightly Decline at U.S. Graduate Schools