【ニュース・アメリカ】2017年度の学生ビザ発給数、前年度比17%減でピークの2015年度からは約40%減

 
国務省(Department of State)は、2017年度の学生ビザ(F-1)発給数が前年度から大幅に減少したことを明らかにした。
 
2017年9月30日で終了した2017年度に発給したF-1ビザは39万3,573件で、前年度比17%減、ピークであった2015年度から約40%減となっている。これは、他国の大学による健闘も一因ではあるものの、移民法弁護士及び大学関係者らは、トランプ政権の政策により、米国を留学先とすることが難しくなり、ビザ申請者に対しては、さらに厳しい審査が行われていることが主要な原因であると分析しており、特に、インドからの留学生に対するビザ発給数が前年度比28%と顕著に減少しているという。
 
それ以外の主な結果は以下の通り。

  • 米国への留学生数では最大の中国人学生に対するビザ発給数は前年度比24%減であるが、これは、2014年にビザ有効期間が1年間から5年間に変更されたことも一因。
  • 2017年度のビザ発給総数は、前年度比約7万8,000件減で、中国人留学生へのビザ発給数は約3万5,000件減。中国人学生へのビザ発給数を除くと、ビザ発給総数は前年度比13%減。
  • 在インド米国領事館では、国務省から、学生に卒業後帰国の意思があることを確認するよう改めて強調されていることが発覚。
  • 国務省は、基本方針には変更ないとしながら、ビザ申請却下件数が明確に増加しており、ケント州立大学(Kent State University、オハイオ州)では、インド人留学生在籍数が2016年春学期には1,017人であったのに対し、2017年春学期は265人のみ。また、ヒューストン大学クリアレイク校(University of Houston-Clear Lake、テキサス州)でも、留学生在籍数は、2015年度の1,494人から2017年度は894人に減少。
  • アリゾナ州立大学(Arizona State University)や南カリフォルニア大学(University of Southern California)などといった著名大学は、留学生在籍数を維持しているものの、地方大学や小規模大学では顕著に減少。
  • サウジアラビア及びクウェート政府が支援する奨学金プログラムの終了も留学生在籍数減少の一因。

 
2018年3月11日
 
The Wall Street Journal:Visas Issued to Foreign Students Fall, Partly Due to Trump Immigration Policy
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
国際交流 国際化
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