【ニュース・アメリカ】2017年に米国大学から博士号を取得した研究者数は、前年より微減の5万4,664人

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は、研究学位取得者に関する年次統計調査「博士号取得調査(Survey of Earned Doctorates:SED)」の結果をまとめた報告書「2017年米国大学からの博士号取得者(2017 Doctorate Recipients from U.S. Universities)」を発表した。
 
これによると、2017年に米国大学から研究博士号を取得した研究者数は5万4,664人で、2016年から僅かに減少した。また、2017年の科学工学分野での博士号取得者は全体の4分の3以上を占めており、20年前と比較すると、割合が大幅に増加している。
 
一方、今回のSEDでは、米国籍・永住権保有者が、博士号取得後に州を越えて移動する傾向を初めて検証しており、過去10年間では、ビジネス管理・経営分野専攻の博士号取得者の移動率が最も高く、同分野で博士号を取得した男子学生の76%と女子学生の70%が、学位取得大学所在地とは異なる州で就職していることが判明したという。これとは逆に、移動率が最も低いのは教育博士号取得者で、移動率は男子学生35%、女子学生31%であった。
 
その他の主な結果は以下の通り。

  • 2017年に博士号取得者の占める割合が高かった専攻分野は、生命科学(23%)、工学(18%)、心理学・社会科学(17%)など。人文科学・芸術分野での博士号取得者は、全体の約10%。
  • 性別でみると、米国籍・永住権を保有する博士号取得者では女子学生が半数以上を占める一方、留学生の博士号取得者では女子学生は約30%。
  • 米国籍・永住権を保有する黒人・アフリカ系・ヒスパニック系・ラテン系博士号取得者数は、過去10年間でいずれも6~7%増加。
  • 2017年に科学・工学分野で博士号を取得した留学生は1万4,166人で、2016年から159人減少。一方、米国籍・永住権保有者は2万5,533人で、2016年から2%増。また、1998年からは32%増。
  • 博士号を取得した留学生のうち、中国・インド・韓国出身者が全体の54%で、上位10カ国出身の学生が全体の71%を占める。

なお、本報告書は、https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf19301/から閲覧・ダウンロード可能。
 
2018年12月11日
 
National Science Foundation:Number of doctorates awarded by US institutions in 2017 declined slightly

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