【ニュース・アメリカ】2016-17学年度の大学基金の投資利益率、過去最高の2014年に次ぐ12.1%

 
全米大学実務者協会(National Association of College and University Business Officers:NACUBO)は2018年1月25日、NACUBOとコモンファンド研究所(Commonfund Institute)が共同で実施した、2017年の米国大学基金に関する調査「2017年NSCUBO・コモンファンド大学基金調査(2017 NACUBO-Commonfund Study of Endowments:NCSE)」の結果を発表した。
 
これによると、2016-17学年度の大学基金の投資利益率は平均12.2%で、過去最高であった2014年の15.5%に次ぐ率となり、2016年のマイナス1.9%、2015年の2.4%からは大きく挽回するものとなった。但し、大半の投資利益率が2016年を上回る中で、年換算された10年間の投資利益率は4.6%で、2016年の5.0%を下回った。
 
主な結果は以下の通り。

  • 学生のための学資援助、研究、重要なプログラムなどを支援するために、全体の65%の大学において、大学運営目的での大学基金からの支出額が増加しており、平均増加率は6.5%。
  • 大学基金10億ドル以上の大学の75%以上において、大学基金からの支出額が前年を上回る。
  • 大学基金の平均支出率の平均は、2016年の4.4%から2017年には4.8%に上昇。
  • 本調査に参加した米国大学800校超の大学基金総額は約5,670億ドルで、平均約7億70万ドルであるが、参加大学の約半数は、大学基金が10億ドル未満。
  • ほぼ全ての資産カテゴリーにおいて高い投資利益率が見られるが、非米国株式(マイナス7.8%→20.2%)、米国株式(マイナス0.2%→17.6%)、代替戦略(マイナス1.4%→7.8%)などが特に高い投資利益率を提示し、前年を下回ったのは債券(3.6%→2.4%)のみ。
  • 大学基金2,500万ドル未満の大学の平均正味年間投資利益率は11.6%であるのに対し、同10億ドル以上の大学では12.9%で、大学基金の規模が大きい大学ほど利益率が高くなる傾向が継続。

 
なお、本調査結果は、「Educational Endowments Report Decline in 10-Year Return Despite 12.2% Return for FY2017, Up Significantly from -1.9% Reported for FY2016」(PDF:731KB)から閲覧可能。
 

2018年1月25日
 
Inside Higher ED:Endowments Rebound, but Is It Enough?
 

地域 北米
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