【ニュース・アメリカ】2016年秋学期の米国大学新入生、政治的信条の分裂が過去最高

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles)の共同学内研究プログラム(Cooperative Institutional Research Program:CIRP)は、米国大学の新入生を対象として実施した調査「米国大学新入生~全米の標準2016年秋学期~(The American Freshman:National Norms Fall 2016)」の結果を発表した。
本調査は、米国4年制大学184校の新入生13万7,400人超を対象として行われたもので、これによると、同調査に参加した新入生の約42%が政治問題に関しては「中道」と回答し、過去最低であることが明らかになった。また、約35.5%は自身をリベラルもしくは極左と形容した一方で、約22%が保守もしくは極右と回答した。また、性別による格差が非常に大きく、過去最高となる41%の女子学生がリベラルと回答し、男子学生の29%を大きく上回った。主な結果は以下の通り。

  • 女子学生の約82%は、連邦政府が気候変動対策への取り組みを優先すべきと回答し、男子学生を5ポイント上回る。
  • 女子学生の約75%は、銃規制を厳しくすべきと回答した一方で、男子学生では約59%。
  • リベラル派学生の87%は、異なる信条の他者を「積極的に」または「やや積極的に」容認すると回答した一方で、保守派学生では68%のみ。
  • 学費の支払に関して大きな懸念を持つと回答した女子学生は16%であるのに対し、男子学生は10%のみ。また、ラテン系学生の25%と黒人学生の22%も、学費の支払に関する懸念を表明。
  • 約半数の学生が在学中に仕事を見つけて学費の一部を負担すると回答しており、前年の46%をやや上回る。
  • 全体の22%が、少なくとも1つの障害または疾患を持つと回答。また、14%は大学在学中にカウンセリングを受けるであろうと回答し、1990年代前半の3.5%から大きく増加。
  • 回答者の中で702人がトランスジェンダーであると回答。
  • 現役従軍者である学生の約半数が、自身を保守もしくは極右と形容。
  • 全体の約41%が、1週間に少なくとも6時間はソーシャルメディアを利用すると回答。政治的スペクトラムで比較すると、左派系学生の45%がこれに当てはまる一方で、右派系学生では36%。

2017年5月1日

 

Inside Higher ED:Politically Divided(調査報告書PDFあり)

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 学生の多様性
統計、データ 統計・データ