米国科学財団（National Science Foundation：NSF）傘下の米国科学工学統計センター（National Center for Science and Engineering Statistics：NCSES）は、研究開発のための連邦予算権の傾向に関する報告書「研究開発のための連邦予算権は2015年度と2016年度には継続して上向きで、2017年度もさらなる増額を要求（Federal Budget Authority for R&D Continued to Move Upward in FYs 2015 and 2016, with a Further Increase Proposed for FY 2017）」を発表した。これによると、2016年度は3年連続で増額されたことが明らかになった。具体的には、研究開発費と研究開発施設費の合計は1,490億ドルで、前年度から105億ドルの増額となっている。また、3年連続の増額により、2010年度以降の減少傾向を相殺することになり、研究開発費と研究開発施設費は2010年度レベルまで回復したが、インフレ率を勘案すると、2016年度合計額は2010年度レベルを約10％下回るという。なお、2016年度研究開発費・研究開発施設費の内訳は、国防総省（Department of Defense）による国防目的の研究開発費が全体の52％を占め、非国防関連では、国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）を中心とする衛生関連が22％、米航空宇宙局（NASA）による宇宙飛行・研究・支援活動が9％、米国科学財団及びエネルギー省（Department of Energy）を中心とする一般科学・基礎研究が8％を占めた。

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Science Foundation：Federal Budget Authority for R&D Continued to Move Upward in FYs 2015 and 2016, with a Further Increase Proposed for FY 2017

 
National Science Foundation：Federal budget authority for research and development continues upward trend