【ニュース・アメリカ】2016年の米国高等教育機関による研究開発費は総額720億ドル

 
米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学・工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics)は2019年3月7日、2016年の高等教育機関による研究開発支出に関する報告書「高等教育機関研究開発費 ~支出額及び資金源は州によって様々~(Higher Education R&D Spending: Spending and Funding Sources Differ by State)」を発表した。
 
高等教育研究開発調査(Higher Education R&D Survey)結果に基づいて作成された本報告書では、2016年に米国高等教育機関が支出した研究開発(R&D)費は総額720億ドルで、過去10年間で21%増となったことが明らかにされた。
 
主な結果は以下の通り。

  • カリフォルニア州・メリーランド州・マサチューセッツ州・ニューヨーク州・ペンシルバニア州・テキサス州の6州におけるR&D費合計は、2016年の高等教育機関によるR&D費全体の約45%。また、これら6州の各州におけるR&D支出額は、支出総額の5%以上。
  • ノースカロライナ州・フロリダ州・ミシガン州・イリノイ州・オハイオ州・ジョージア州の6州におけるR&D費合計は、2016年の高等教育機関によるR&D費全体の約20%。また、これら6州の各州におけるR&D支出額は、支出総額の3~4%。
  • 上記12州を除く38州とワシントンDCにおけるR&D費合計は、2016年の高等教育機関によるR&D費全体の約35%。
  • 2016年の高等教育機関によるR&D費全体の54%は連邦政府が拠出。但し、コロラド州・メリーランド州・バーモント州の3州では、R&D費全体の70%以上は連邦政府拠出金。一方、高等教育機関による拠出額は全体の25%であるが、州によって10%未満(コロラド州)から45%以上(ロードアイランド州)と幅が広い。
  • 分野別で比較すると、科学工学分野では、生命科学R&D費が全体の57%に相当する410億ドルで最大で、工学(16%)、物理科学(7%)、地球科学(4%)、社会科学(3%)などが続く。但し、州によって、R&D費が占める割合の大きい分野は若干異なる。一方、非科学工学分野は、全体の6%のみ。
  • 2016年の高等教育機関によるR&D費への連邦政府拠出額は390億ドルで、2007年からは310億ドル増。これに対し、高等教育機関による拠出額は180億ドルで、非営利機関が46億ドル、企業が42億ドルをそれぞれ負担。一方、州・地方政府による拠出額は約40億ドル。

 
2019年3月7日
 
National Science Foundation:Higher Education R&D Spending: Spending and Funding Sources Differ by State
 

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