【ニュース・アメリカ】2016ー17学年度の高校卒業率は過去最高の84.6%

 
教育省(Department of Education)米国教育統計センター(National Center for Education Statistics)は2019年1月24日、2016-17学年度に高校入学から4年以内に卒業した生徒の割合は過去最高の84.6%で、2015-16年度の84.1%からさらに0.5ポイント向上したことを発表した。
 
一方で、アメリカズプロミス同盟(America’s Promise Alliance)が高校卒業率向上を目指して2010年に立ち上げたイニシアティブ「グラッド・ネイション(GradNation)」のリーダーらは、前学年度と比較して高校卒業率の向上が1ポイントに満たなかったのは、2011年以降で今回が初めてであることを指摘し、これまでの取り組みに満足せずに、入学後4年以内の高校卒業率を2020年までに90%にするという同イニシアティブの目標達成に向けて、気持ちを新たにして真剣に取り組まなければならないとしている。
 
アメリカズプロミス同盟上級ディレクターのモニカ・キンチェロー(Monika Kincheloe)氏は、高校卒業率の伸び悩みの一因として、粘り強さなどといった社会・情緒的スキルの習得に対する支援がほとんど受けられないために、生徒が学校から離れてしまうことを挙げている。また、卒業率を上げるために、質の低いオンライン講座を利用して卒業資格を与えるケースもあると指摘している。
 
このように卒業率の伸びは少なかったものの、今回の発表では、歴史的に高校卒業が困難であったグループにおいて以下のように卒業率の向上が見られることも判明した。

  • 障害のある生徒の卒業率は67.1%で前年から1.6ポイント向上。
  • アフリカ系生徒の卒業率は77.8%で前年から1.4ポイント向上。また、ラテン系生徒の卒業率は80%で前年から0.7ポイント向上し、米国先住民・アラスカ先住民生徒の卒業率は72.4%で前年から0.5ポイント向上。これに対し、アジア系生徒の卒業率は前年比0.4ポイント増の91.2%で、白人生徒では前年比0.3ポイント増の88.6%。
  • 低所得層家庭の生徒の卒業率は78.3%で前年から0.7ポイント向上。
  • 英語学習者の卒業率は66.4%で前年から0.4ポイント低下。

 
2019年1月24日
 
Education Week:U.S. High School Grad Rate Reaches Another All-Time High. But What Does It Mean?

地域 北米
アメリカ
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