教育省（Department of Education）の米国教育統計センター（National Center for Education Statistics：NCES）は、近年の大学卒業率及び学資援助の現状などに関するデータをまとめた報告書「2008年～2013年特定コホートの卒業率、2008年コホートのアウトカム評価、2015－16学年度の学資援助、及び、2016年秋学期高等教育機関在籍状況に関する概要（予備データ）（Graduation Rates for Selected Cohorts, 2008-13; Outcome Measures for Cohort Year 2008; Student Financial Aid, Academic Year 2015-16; and Admissions in Postsecondary Institutions, Fall 2016: First Look （Preliminary data））」を2017年12月28日に発表した。
 
これによると、学士号取得を目指して4年制大学に2010年に入学した新入生の約60％は、6年以内に卒業しているという。人種別で見ると、米国先住民及びアラスカ先住民学生の卒業率が最も低い38.8％で、アフリカ系米国人学生の39.7％がこれに続き、過去の傾向が継続されていることも明らかになった。また、大学セクタ別では、4年制営利大学の卒業率が25.6％と最も低く、2年制大学では、2013年入学の新入生の3年以内での卒業率は32.8％であった。
 
その他の主な結果は以下の通り。

• 2015－16学年度には、大学生全体の約83％が何らかの形での学資援助を受給。そのうち約45％は連邦政府から、30％は州・地方政府から、41％は大学からの返還不必要な奨学金をそれぞれ受給。
• 同学年度に低所得層学生を対象とした連邦政府からの奨学金「ペルグラント（Pell Grant）」を受給した学生が全体に占める割合は、4年制営利大学が65％、同公立大学が36.6％、同私立非営利大学が31.5％。
• 同学年度に連邦学資ローンを利用した学生が全体に占める割合は、4年制営利大学が72.9％、同公立大学が46.5％、同私立非営利大学が58.1％。
• 4年制公立大学の学生が支払う学費は、公示価格平均1万9,657ドルから連邦学資援助受給後の正味学費は平均1万3,072ドルに低下。また、世帯当たりの年収3万ドル以下の低所得層家庭の学生の正味学費は平均9,743ドル。これに対し、同私立非営利大学では、公示価格平均3万9,615ドルから正味学費平均2万1,901ドルに低下し、下位25％の低所得層家庭の学生では平均1万7,290ドル。一方、同営利大学では、公示価格平均2万7,823ドルから正味学費平均2万2,452ドルに低下し、下位25％の低所得層家庭の学生では平均2万1,527ドル。

 
なお、本報告書は、「Graduation Rates for Selected Cohorts, 2008–13; Outcome Measures for Cohort Year 2008; Student Financial Aid, Academic Year 2015–16; and Admissions in Postsecondary Institutions, Fall 2016」（PDF：1,010.45KB）からダウンロード可能。
 

2018年1月3日
 
National Association of Student Financial Aid Ad：New Federal Data Highlight College Completion Rates, Net Price