【ニュース・アメリカ】2007年~2017年の10年間での学資ローン利用状況、大学の種類・州での違いが顕著

 
学資ローンを含む金融製品を提供するレンド・エデュ(LendEDU)社は2019年4月30日、2017年に大学を卒業したグループと2007年に大学を卒業したグループとの間での学資ローン利用状況を比較した報告書「過去10年間で学資ローン負債はどのように変化したか ~大学・州別~(How Student Loan Debt Has Changed Over the Past Decade: By School and State)」を発表した。
 
これは、教育サービス企業のピーターソンズ(Peterson’s)社による年次学資援助調査の結果を使用して、大学922校の大学別、州別での変化を比較した他、①大学全般、②歴史的黒人大学(historically black colleges and universities:HBCUs)、③女子大学、④公立大学、⑤私立大学、という大学の種類別に分類した分析も行った。
 
主な結果は以下の通り。

  • 2007年~2017年の10年間で、学資ローン利用者数の増加率が最も高いのはHBCU(7%増)であるのに対し、最も低いのは私立大学で3%減。また、学生1人当たりの学資ローン利用額中央値の変化が最大であったのもHBCUで、1万1,512ドル増。
  • 上記10年間で、学資ローン利用者が占める割合の増加率が最も高かったのはHBCUの11.37%増で、最低は私立大学の1%減。また、学生1人当たりの学資ローン利用額の変化は、いずれも約9,200ドル~1万1,000ドル増で、大学の種類による顕著な違いはなし。学生1人当たりの学資ローン平均利用額の増加率が最も高いのはHBCUの105.31%増で、他の4種類の大学の増加率はいずれも60%前後。
  • 上記10年間の学生1人当たりの学資ローン利用額の変化は、減少率が最大の大学で約80%減であるのに対し、増加率最大の大学は1,000%超の増加。また金額で見ると、学生1人当たりの平均利用額が2万4,000ドル以上減額された大学から4万ドル以上増額された大学まで様々。
  • 州別で見ると、10年間での学生1人当たりの学資ローン利用額の増加率は、アラスカ州の21.45%減からニューメキシコ州の102.49%増まで様々。また、金額も、アラスカ州の約6,000ドル減からデラウェア州の1万7,000ドル増まで幅広い。
  • 学資ローン利用者の割合の10年間での増減を州別に見ると、減少率最大はノースダコタ州の19.39%減で、増加率最大はデラウェア州の18%増。

 
2019年4月30日
 
LendEDU:How Student Loan Debt Has Changed Over the Past Decade: By School and State

 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
学生の経済的支援 学生向け奨学金
統計、データ 統計・データ
レポート 海外センター