米国科学財団（National Science Foundation：NSF）極プログラム局（Office of Polar Programs）は、2015年12月3日と4日にワシントンDCで開催された米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）の極研究委員会2015年秋季会議（Polar Research Board 2015 Fall Meeting）において、米国の南極基地3カ所の中で最大のマクマード基地（McMurdo Station）内の主要施設の整備に関する最新計画案である「科学のための南極インフラ最新化（Antarctic Infrastructure Modernization for Science：AIMS）」プロジェクトを発表した。マクマード基地の運用は1955年に開始され、夏期の4カ月間にわたり、約1,200人を収容する米国人科学者の南極への主要エントリー・ポイントであるが、大半が築後50年以上を経過した100棟以上の建物が寄せ集められた状態にあり、構造物に対する大規模な投資は約40年間行われていないという。AIMSに要するコストは約3億ドルで、この費用は、南極における装備・インフラのための年間予算からではなく、NSFの主要研究機器・施設建設（Major Research Equipment and Facilities Construction：MREFC）予算から拠出されるとのことである。AIMSの下での施設整備は2019年度での開始が想定されており、約8年間を要するプロジェクトとなる。なお、同プロジェクトが進行中の科学活動に直接影響を与えることはない。

Science：Overhaul in the works for aging U.S. Antarctic station