米国進歩センター(Center for American Progress)は、米国の高校卒業時の能力と大学進学・就職に必要な能力とのギャップに関する研究報告書「高校卒業証書は本当に大学・就職への切符となるのか?(Are High School Diplomas Really a Ticket to College and Work?)」を発表した。
本報告書では、各州における高校卒業要件が、主要な大学進学・就職準備に向けたベンチマークを充足しているか否かを検証した結果、
- ①高校卒業要件が州立大学システムへの入学要件を充足している州は4州のみ、
- ②全体の約20%の州では、数学の高校卒業要件が大学入学要件を充足していない、
- ③州によっては、複数科目において高校卒業要件が大学入学要件を充足していない、
など、高校卒業要件の厳しさが不十分であることが明らかにされた。
これらの結果を受けて、本報告書が提案するギャップを埋めるための解決策は以下の通り。
- 高校卒業要件と州立大学システム入学要件とを明確に一致づけ。
- 標準的高校卒業証書を受ける条件として、大半の公立大学が要件とする大学進学準備講座15単位分の修了を義務付け。
- 高校卒業後就職する生徒には、大学進学準備講座15単位分と、キャリア・技術講座3単位分の修了を義務付け。
- 生徒のグループ・卒業証書の種類別に細分類された卒業率の発表。
- 標準・就職準備卒業証書の両方の要件を生徒が充足する上で必要な講座及び準備を提供するために、全ての学区が人材と資金を確保。
- 卒業要件の修了データを収集・分析する適切な手段に関し、学区を監督するためのシステムの開発・維持。
なお、本報告書は、「Are High School Diplomas Really a Ticket to College and Work?」で閲覧可能。
2018年4月2日
Center for American Progress:New Report Finds Lax High School Graduation Requirements Are Ill-Preparing Many for College