【ニュース・アメリカ】連邦学資ローンプログラム関連の訴訟を提起された米国大学、教育省への報告義務が発生

 
米国大学は、2019年5月14日付で、オバマ政権下で2016年に制定された学資ローン利用者保護規則(borrower-defense rule)に基づき、連邦学資ローンプログラムに関連する問題で訴訟を提起された場合、教育省(Department of Education)に報告することが義務付けられた。
 
これは、ベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官が同規則の施行阻止を試みたものの、連邦地方裁判所が2018年秋にこれを却下したためで、デボス長官は、新たな規則を発表する計画ではあるものの、教育省は、当面はオバマ政権下で作成された規則を遵守することが必要となる。
 
この結果、連邦政府もしくは州政府の関係当局から連邦学資ローンプログラム関連の訴訟を2017年7月以降に提起された大学及び、まだ略式判決が出ていない訴訟を提起されている大学は、教育省への報告が義務付けられることとなった。また、閉鎖前の大学が、在学生がプログラムを確実に修了できるようにするために作成する「ティーチアウト計画(teach-out plan)」の提出を大学認証機関から要求された大学は、そのことも教育省に報告しなければならない。
 
但し、同規則の下での訴訟報告義務に関する記述が非常に広範であるため、大学側に混乱が生じ、過度の負担となっていることに対する批判的な意見も少なくない。これに対し、オバマ政権下で教育省上級政策顧問を務め、現在は無党派系シンクタンク「ニューアメリカ(New America)」連邦高等教育政策ディレクター代理のクレア・マッキャン(Clare McCann)氏は、同規則の下では、よりリアルタイムに近い財務リスクに関する情報入手が可能となり、経営破綻の危険がある大学を特定しやすくなるとコメントしている。
 
2019年5月14日
 
Inside Higher ED:Colleges Scramble to Report Financial Risks
 

地域 北米
アメリカ
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