【ニュース・アメリカ】素粒子物理学プロジェクト優先順位決定委員会(P5)、米国の素粒子物理学研究の戦略計画をまとめた報告書を発表

エネルギー省(Department of Energy)の高エネルギー物理学諮問団の一部である素粒子物理学プロジェクト優先順位決定委員会(Particle Physics Project Prioritization Panel:P5)は2014年5月22日、米国における素粒子物理学研究の戦略計画をまとめた報告書「発見のための構築 ~世界的状況における米国素粒子物理学の戦略計画~(Building for Discovery:Strategic plan for U.S. particle physics in the Global Context)」(URL1)を発表した。本報告書は、米国が欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider:LHC)を利用した研究における中心的存在であり続けることの重要性の他、LHCの後継機となる国際リニアコライダー(International Linear Collider)構想を支援することの必要性を強調している。さらには、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory:Fermilab、イリノイ州)における長基線ニュートリノ施設(Long Baseline Neutrino Facility:LBNF)に関する提案を再考して投資するよう進言している他、同研究所における「Mu2e」実験を支持している。但し、オバマ大統領による2015年度予算案でのエネルギー省高エネルギー物理学予算は、2014年度比6.8%減の7億4,400万ドルで、これはP5が予想した最悪の予算規模をさらに下回ることから、エネルギー省が同報告書を予算配分の再考のために活用することと、議会が大統領の要求額以上の予算を高エネルギー物理学に割り当てることを期待すると、カリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)所属の物理学者でP5委員長のアンドリュー・ランクフォード氏(Andrew Lankford)は述べている。

URL1: http://science.energy.gov/~/media/hep/hepap/pdf/May%202014/FINAL_DRAFT2_P5Report_WEB_052114.pdf
URL2: http://www.nature.com/news/us-physics-strategy-collides-with-budget-1.15284

地域 北米
アメリカ
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