【ニュース・アメリカ】約40%の大学生、不安定な食糧事情や住居のない状態を経験との調査結果

 
テンプル大学(Temple University、ペンシルバニア州)高等教育政策及び社会学教授でウィスコンシン・ホープ・ラボ(Wisconsin HOPE Lab)創設者のサラ・ゴールドリック・ラブ氏(Sara Goldrick-Rab)らは2018年4月3日、米国大学生の住居・食事事情に関する実態調査結果をまとめた報告書「大学において今も空腹でホームレス(Still Hungry and Homeless in College)」を発表した。
 
同氏らは、コミュニティカレッジ在籍学生のみを対象とした同様の調査結果を2017年3月に発表しているが、本報告書は、コミュニティカレッジ31校と4年制大学35校に在籍する学生約4万3,000人から得られた回答に基づいて作成されたものである。
 
これによると、4年制大学在籍学生の約36%とコミュニティカレッジ在籍学生の約42%は、調査を実施した期間内に、食料安全保障が「低い」または「非常に低い」時期があったと回答し、約36%の4年制大学在籍学生と約46%のコミュニティカレッジ在籍学生は、2017年に何らかの形で住居のない状態を経験したと回答していることが明らかにされた。
 
また、人種別で見ると、食糧事情が不安定と回答した白人学生は、コミュニティカレッジで約37%、4年制大学で約30%であったのに対し、ヒスパニック系学生では、コミュニティカレッジ在籍者の47%と4年制大学在籍者の42%が食料不安を経験したと回答し、黒人学生ではそれぞれ54%と47%となっており、人種間格差も存在することが判明した。
 
ゴールドリック・ラブ氏らは、同調査への回答率が約7%と低く、同調査結果を一般論として語ることはできないなど、といった注意点があることを認めながら、大学に対し、学生用の食糧配給所を学内に設置するなどの対策を講じるべきと提言している。
 
なお、本報告書は、「STILL HUNGRY AND HOMELESS IN COLLEGE」(PDF:1.33MB)からダウンロード可能。
 

2018年4月4日
 
Inside Higher ED:Still Hungry

 

地域 北米
アメリカ
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