米国科学財団(National Science Foundation:NSF)は2014年4月14日、サンアンドレアス断層深部観測所(San Andreas Fault Observatory at Depth:SAFOD、カリフォルニア州)における新たな研究の提案書募集を停止することを発表し、同施設を1年以内に休止させる可能性があることを明らかにした。SAFODは2004年に開始された2,500万ドルのプロジェクトで、①活断層内深部からの岩のサンプル採取と、②小さな地震活動検知のため、地下約3キロメートルの深さのボアホールに圧力センサー、温度計、及び地震計の設置を目的としている。プロジェクト開始当初は、断層内の岩のサンプル採取などが順調に進んでいたものの、2008年に設置された計器が設置後間もなく故障した他、プロジェクト予算も枯渇状態にあるという。さらには、SAFODにおける将来的な研究に関する提案書の応募が1件しかないことから、募集停止が決定された。SAFODのプロジェクトを支持する署名を科学者36人から集めたウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)の地震学者クリフ・サーバー氏(Cliff Thurber)らは、これまでの金銭及び時間的投資を考えるとプロジェクトを全うさせるべきで、NSFの決定は短絡的としている。
URL1: http://www.nature.com/news/nsf-pulls-support-for-quake-observatory-1.15076