米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）は7月14日、報告書「公衆衛生緊急事態への
準備・対応に向けたエビデンスに基づく実務（Evidence-Based Practice for Public Health Emergency Preparedness and Response）」
を発表した。

 
 本報告書では、災害が起こるたびに資金提供の優先事項が変化する傾向があり、その結果、エビデンスの基盤が不足し、公衆衛生緊急事態に
最も有効な手段で対応する国家の能力が削がれていると指摘している。

 
 また、災害への準備・対応で何が機能するか、及び、その理由は何かに関する理解を深めるために、持続可能な研究課題と必要なインフラを
構築する「米国公衆衛生緊急事態準備対応科学枠組み（National Public Health Emergency Preparedness and Response (PHEPR) Science
Framework）」を、疾病管理予防センター（Centers for Disease Control and Prevention：CDC）主導の下で作成すべきと提案している。

 
 同報告書は、新型コロナウイルス感染症パンデミックからハリケーン・山火事に至るまで、公衆衛生緊急事態が年々その脅威と頻度を高める中、
リアルタイムでの研究を実施する機会を有効に活かすためには、各事象からエビデンスを収集し、将来の政策・実務に転換するための持続可能な
システムが必要と主張している。

 
 この他、CDC、厚生省（Department of Health and Human Services）準備対応担当次官補室（Office of the Assistant Secretary for
Preparedness and Response：ASPR）、国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）などを含むPHEPR研究資金提供機関に対しても、
エビデンスに基づく実践に関し、プログラム作成及び資金提供決定を行う方法を検討すべきと提案している。
 
なお、本報告書は、こちらから閲覧可能。
 
7月14日
 

National Academies of Sciences：
Engineering, and Medicine, New Report Recommends National Framework to Strengthen Evidence on Effective Responses to Public Health Emergencies, Says Current Evidence Base Is Deficient