米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）は2018年12月13日、報告書「マイノリティ受入大学 ～STEM労働力強化に向けた米国資金の活用が不十分～（Minority Serving Institutions：America’s Underutilized Resource for Strengthening the STEM Workforce）」を発表した。
本報告書は、高等教育リーダー、政策決定者、民間セクタに対し、米国のマイノリティ受入大学（Minority Serving Institution：MSI）に対し、STEM（science, technology, engineering, and mathematics）プログラム及び学位取得を強化するために、様々な対策を講じるべきと主張している。また、STEM分野専攻のMSI学生の長期的成功を支援する上で有望な戦略を特定しており、連邦・州政府省庁や民間・企業財団を含むステークホルダーに対し、これらの戦略実行を可能とするために、助成金増加やパートナーシップ締結などを行うよう提案している。
現在、米国には2年制及び4年制のマイノリティ受入大学が約700校存在し、米国の大学生全体の約30％が在籍しているが、これらの大学在籍学生をSTEM人材源とするために支援することを強く奨励している。
研究文献及び入手可能なデータの検証やMSI 9校の訪問を通して、本報告書を作成した委員会が特定した、有望な7つの戦略は以下の通り。
- 複数のレベルにおける、ミッションに基づく行動力あるリーダーの確保。
- 学生の現状に応じた大学の対応。
- 支援を惜しまない大学キャンパス環境。
- 学生に合わせた学業面・社会面での支援。
- メンターシップとスポンサーシップ。
- 学士課程在学生に対する研究体験機会の提供。
- 双方に利益をもたらす官民パートナーシップ。
なお、本報告書は、https://www.nap.edu/read/25257/chapter/1から閲覧可能。
2018年12月13日
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：Minority-Serving Colleges and Universities Are Positioned to Serve as a Greater Resource for Meeting U.S. STEM Workforce Needs, But Increased Attention and Investments Are Needed
