米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)の湾岸研究プログラム(Gulf Research Program:GRP)とロバート・ウッド・ジョンソン財団(Robert Wood Johnson Foundation:RWJF)は2017年7月18日、メキシコ湾岸地域に位置する沿岸コミュニティにおける復元力の科学と実践の強化を目的として、ルイジアナ州とアラバマ州で実施される新たなプロジェクト4件に対し、総額1,080万ドルを助成することを発表した。
湾岸コミュニティは、気候変動や天災・人災による独自の様々な環境的ストレス問題に頻繁に直面し、近年では、干ばつ、ハリケーン、沿岸地域の地盤沈下、2010年メキシコ湾原油流出事故などの被害を受けている。GRP戦略イニシアティブディレクターのリーアン・オルセン(LeighAnne Olsen)氏は、RWJFと共同で、研究者・実践者・コミュニティ住民と共に、「環境問題の逆境に耐えるために衛生・社会・文化・経済的要因がどのように相互作用するか」という、コミュニティの復元力に関して研究が十分に行われていない分野に取り組むとコメントしている。
ピアレビュー(‘peer review’)方式での審査を通して選出されたプロジェクトは、
① | ジョージア大学(University of Georgia)主導: 「コミュニティと家庭の復元力・強度・健全性~カンボジア・ラオス難民コミュニティによる環境問題への対応に関する社会文化的影響」-受給額[307万6,000ドル] |
② | ルイジアナ州立大学衛生科学センター(Louisiana State University Health Sciences Center)主導: 「コミュニティ復元力学習協力研究ネットワーク」-受給額[252万2,000ドル] |
③ | アーバン研究所(Urban Institute)主導: 「ニューオーリンズ地区における住居の復元力」-受給額[226万6,000ドル] |
④ | ルイジアナ州立大学沿岸持続可能性スタジオ(Louisiana State University Coastal Sustainability Studio)主導: 「沿岸から内陸へ~地域における気候変動対策に対するマルチスカラー・アプローチ~」-受給額[293万6,000ドル] |
の4件である。なお、本助成は、GRPから580万ドル、RWJFから500万ドルがそれぞれ拠出される。
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:National Academies’ Gulf Research Program and the Robert Wood Johnson Foundation Award $10.8 Million to Build Healthy, Resilient Coastal Communities