【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、火山活動予測・警告能力向上のための火山活動観測研究優先事項を特定

米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、火山活動予測に関する報告書「火山の爆発とその休眠・予兆・前兆・タイミング(Volcanic Eruptions and Their Repose, Unrest, Precursors, and Timing)」を発表した。これによると、火山に関する全般的な理解は深まっているものの、火山の爆発のタイミング・期間・種類・規模・影響を予測する能力には限りがあることが明らかにされた。また、本報告書は、火山活動予測・警告能力を向上させるために、火山活動観測を改善する研究優先事項を特定し、火山科学コミュニティを対象としたコンペ3件を提示している。同報告書は、研究優先事項として、①火山の下にあるマグマの動きと蓄積の過程、②爆発の開始・進化・終息の過程、③火山爆発の様子、④爆発の予測、⑤火山爆発に対する地形・海洋・大気の反応、⑥地表の変化に対する火山の反応、などを特定している。また、これらの優先事項を踏まえ、火山科学及び観測を進歩させるための全般的グランド・チャレンジとして、1)観測とモデルの統合による火山爆発の規模・期間・危険性の予測、2)火山のライフサイクルの数量化と現在の偏った理解の克服、3)調整された火山科学コミュニティの構築、の3つのコンペを提示している。

 

なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
National Academies Press:VOLCANIC ERUPTIONS AND THEIR REPOSE, UNREST, PRECURSORS, AND TIMING

 

2017年4月19日

 

National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:Report Identifies Grand Challenges for Scientific Community to Better Prepare for Volcanic Eruptions

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究