【ニュース・アメリカ】米国科学工学医学アカデミー、バイオ委員会の人選において利益相反が問題に

米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering and Medicine)は、連邦政府に政策指針を提供する独立機関であり、委員会を編成して報告書を作成させ、この中で政策立案者に対する提案事項を提示するという役割を担っている。今回、同アカデミーにおけるバイオ委員会の人選が問題視されており、具体的に、同委員会に所属する複数の委員が、バイオ企業と財政的な繋がりを持っており、このうち2人に関しては、同アカデミーの利益相反方針に違反することが確認されている。また、これらの委員の人選に携わった同アカデミー職員の1人は、委員選出手続き中に転職活動を行っており、当該職員が推薦した委員候補13人のうち、5人は同職員の転職先の理事会または諮問委員会の理事・委員で、いずれも最終的に委員に選出されていたことが判明した。これらの批判に対し、同アカデミーは、必要な専門性を持つ研究者には限りがあり、ある程度の利益相反は容認せざるを得ないとして委員を擁護しているが、米国医学アカデミーの前身である医学研究所(Institute of Medicine)で長年に亘って所長を務めたハービー・ファインバーグ氏(Harvey Fineberg)は、利益相反は米国アカデミーの権威を損なう可能性があると警告している。

 

The New York Times:National Biotechnology Panel Faces New Conflict of Interest Questions

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事