米国科学工学医学アカデミー（National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine）は、原子力発電、炭素捕捉と貯留、再生可能エネルギー利用など「さらにクリーンな電力技術」におけるイノベーションに対する支援を大幅に増加することを連邦・州政府及び規制機関に向けて強く要請する報告書「変化の力 ～さらにクリーンな電力技術の開発・展開のためのイノベーション～（The Power of Change：Innovation for Development and Deployment of Increasingly Clean Electric Power Technologies）」を発表した。本報告書は、現在、大半のクリーン電力技術は高コストで、地球規模で導入できる性能レベルにも到達していないことを指摘し、「さらにクリーンな電力」の発電及び送電網技術の性能及び価格競争力を向上させるためのイノベーションを支援する、様々な措置を連邦・州政府及び規制機関に対して提示している。具体的な主要提案事項は以下の通り。
- 発電による温室効果ガスや酸化窒素などの汚染物質排出に対する適切な価格を議会が決定し、発電者に有害物質排出の責任を負わせることにより、さらにクリーンなエネルギー源を利用した電力が価格競争力を持てるように支援。
- 現行の発電技術を改善するためのイノベーションを促進。
- 変電・送電システムを含む電力インフラの改善。
- エネルギー効率の向上。
- エネルギー技術開発に取り組むための助成に重点。
なお、本報告書は、以下より閲覧可能。
The National Academies Press：The Power of Change: Innovation for Development and Deployment of Increasingly Clean Electric Power Technologies
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine：U.S. Should Act to Support Innovation in Increasingly Clean Electric Power Technologies and Remove Barriers to Their Adoption
