米国アカデミー（National Academies）傘下の米国学術研究会議（National Research Council：NRC）は、国務省（Department of State）における科学技術の役割に関する報告書「21世紀の外交　～国務省全体における科学技術文化の浸透～（Diplomacy for the 21st Century：Embedding a Culture of Science and Technology Throughout the Department of State）」（URL1）を発表した。本報告書は、科学技術は様々な外交政策問題において重要な役割を果たしており、国務省は、ミッションをより効果的に遂行するためには科学技術の強化及び継続的アップデートが必要で、科学技術能力は語学能力及び地域に関する専門性と同等に重要であると認識されるよう、省全体及び米大使館における価値観の変化が必要であると指摘した。また、国務省内での科学技術関連の政策策定・実行を支援するために、組織内での科学技術顧問（Science and Technology Adviser）の地位を次官補と同等に引き上げるべきであると提案している。さらには、国務長官に対し、専門家で構成される科学技術諮問委員会（Science and Technology Advisory Board）を編成し、外交政策に関連する軍事以外の科学技術問題に対する見解を提供すると共に、国際安全保障諮問委員会（International Security Advisory Board）を補佐する役割を持たせることを提案している。

URL1: http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=21730
URL2: http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=21730