【ニュース・アメリカ】米国大学進学状況、社会経済的地位や人種によって大きな格差が存在との調査結果

米国教育統計センター(National Center for Education Statistics)は、2009年に9年生に在籍した生徒約2万3,000人に関し、大学進学・卒業状況を2016年2月まで追跡した調査「2009年高校長期調査(High School Longitudinal Study of 2009:HLS)」の最新データを発表した。

 

これらの新データは、対象となった生徒の大学進学に関し、

全体の70%が2016年2月までに大学に進学しているが、社会経済的地位(socio-economic status:SES)が五分位階層の最上層の家庭の生徒の90%以上が大学に進学しているのに対し、最下層の家庭の生徒では56%で、SESによって大きな格差が存在、
SES五分位階層最上層に属する高校の成績平均点(grade point average:GPA)2.0~2.99の生徒の大学進学率と、最下層に属するGPA 3.5以上の生徒の大学進学率は、いずれも88~89%でほぼ同じ、
SES五分位階層最上層に属する生徒の78%が公立・私立4年制大学に進学するのに対し、最下層に属する生徒では36%のみ、
競争率の高い4年制大学に進学する学生の割合は、白人では19%であるのに対し、黒人・アフリカ系では7%、ヒスパニック・ラテン系では9%のみで、SES五分位階層最上層に属する学生だけで比較しても、白人の36%が競争率の高い大学に進学しているのに対して黒人は18%のみ、

の4点を明らかにしている。

 

また、対象となった生徒は、2013年に高校を卒業し、その直後に大学に進学した場合、学士号を取得するのは調査対象期間を過ぎた2017年春となるが、追跡を終了した2016年2月までに大学に進学した学生の20%超が、学位を取得せずに退学していることが明らかにされた。中でも、黒人では、調査期間中に大学に進学した学生全体の約3分の1が2016年2月までに退学しており、この中にはSES五分位階層最上層に属する黒人学生の25%も含まれる。

 

なお、追跡調査の最新データは、以下より閲覧可能。
National Center for Education Statistics:High School Longitudinal Study of 2009(HSLS:09)Features

 

2018年7月12日

 

Center for American Progress:New Federal Data Show America Still Needs to Improve College Access

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ