青少年・若年成人の精神衛生研究のための健全な心ネットワーク(Healthy Minds Network for Research on Adolescent and Young Adult
Mental Health:HMN)と米国大学衛生協会(American College Health Association:ACHA)は、報告書「新型コロナウイルス感染症が大学生の
健康に及ぼす影響(The Impact of COVID-19 on College Student Well-Being)」を発表した。
これは、HMNとACHAが、米国大学14校に在籍する学生1万8,764人から得られた回答に基づいて作成したもので、60%の学生がパンデミックにより
メンタルヘルスケアサービスの利用がしにくくなったと回答している。その他の主な結果は以下の通り。
- 66%の学生において、新型コロナウイルス感染拡大により、金銭面でのストレスが増大。また、35.7%の学生は、パンデミックにより住環境が変化。
- コロナウイルス感染症の影響でのキャンパス閉鎖以降、大学生のうつ病患者数は、2019年秋学期と比較して増加。また、30.5%の学生
が、メンタルヘルスケアが原因で成績に悪影響が出た日が過去4週間で最低6日あると回答し、2019年秋学期の21.9%から増加。 - 約15%の学生が、新型コロナ感染症に感染した可能性があると回答しながら、検査を受けて診断を確認した学生は1%未満。感染した
可能性がある、もしくは、検査で確認したと回答した学生のうち、症状が重症と回答した学生は5.5%で、35.1%が中程度、55.3%が
軽症、4.1%が無症状。 - 回答者は、パンデミックが継続する期間に関して高い懸念を表明。また、25.8%は自身がウイルスに感染することを非常に懸念して
いると回答した一方、64.4%は自分にとって大切な人が感染することを非常に懸念していると回答。 - 5.5%は、パンデミックの結果、人種・民族に基づいた差別・敵対行動を受けたと回答。また、41%は、オンラインもしくは実際に
差別的行動を目撃したと回答。 - 84%は、パンデミックに関する情報源として公的衛生機関を最も信頼。約60%は、推奨されている衛生習慣を実行し、約70%は
推奨されている物理・社会的距離の維持を実行。 - 全体の41.8%の学生は、パンデミック中にメンタルヘルスケアを受けようと試みたと回答。また、メンタルヘルスケアを受けようと
試みた学生の23.3%は普段と比較して受診が非常に困難であったと回答し、36.8%はやや困難であったと回答。 - 約69%の学生は、パンデミック中、所属大学管理者は学生を支援していたと回答し、78%については教員は学生を支援していたと回答。
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
7月13日
Inside Higher ED: Pandemic Hurts Student Mental Health