【ニュース・アメリカ】米国大学生の約3分の2、「所属大学では、一部の学生がキャンパスで自分の考えを発言しにくい状況」と判断

 
大学キャンパスにおける政治的多様性を擁護する非営利機関のヘテロドクス・アカデミー(HxA)は、2018年から毎年実施している「大学キャンパスにおける表現調査(CES)」に関し、2019年~2021年の3年間の調査の分析結果を発表した。CES は、米国大学キャンパスにおける表現に関する傾向を調査したもので、学生は、大学内での自主規制への風潮を感じており、賛否両論のあるテーマに関する討論をためらう傾向がいずれの年の調査でも明らかにされた。

 
具体的に、共和党を支持する学生の41%と無所属の学生の40%は政治に関する討論を躊躇し、人種・ジェンダー・性的指向についても同様の結果であった。その一方で、見解の多様性は重視しており、「大学は学生及び教員に対し、自身と異なる考えを持つ人々から学ぶためにオープンであることを奨励すべき」との見解に、2020年調査で84%、2021年調査で88%の学生が賛同している。その他の主な結果は以下の通り。

  • 自身に関し、ジェンダーを男女の二者択一としないノンバイナリーもしくはトランスジェンダーと認識する学生の割合が、2020年調査と2021年調査結果を比較するといずれも増加(ノンバイナリー:0.2%→5%、トランスジェンダー:1.4%→4.3%)。
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  • 支持政党に関し、無所属とする学生が増加し(2019年調査18.2%→2021年調査23.9%)、共和党支持学生が減少(2019年調査18.9%→2021年調査16.1%)。
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  • 「在籍する大学の風潮は、一部学生がキャンパスで自分の考えを発言しづらくしている」との見解に賛同する学生の割合は、2019年の54.7%から2021年には63.5%に増加。

なお、本報告書は、こちら からダウンロード可能。

 
6月1日


Heterodox Academy: HxA Releases Multiyear Analysis of Campus Expression Survey Data


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性