【ニュース・アメリカ】米国大学学長、新型コロナウイルス流行の影響で最も差し迫った問題は夏・秋学期の在籍者数

 
 米国教育審議会(American Council on Education:ACE)は5月21日、米国大学学長を対象に実施した新型コロナウイルス対応に関する
調査結果を発表した。
 
 本調査は、ACEが12回実施予定の調査の2回目で、学長310人からの回答に基づいて作成された。主な結果は以下の通り。
 

  • 最も差し迫った問題は、4月調査時と同じく「夏・秋学期の在籍者数」との回答が最多(79%)。以下、秋学期の計画決定(63%)、
    大学の長期的な財政的実行可能性(49%)、教職員の一時帰休・減給(44%)、大学の短期的な財政的実行可能性(35%)が続く。
  • 全体の53%は、2020年秋学期に少なくとも一部の講座を大学キャンパスにおいて対面式で開講する「可能性が非常に高い」
    と回答し、31%は「可能性がある」と回答。一方、6%は「可能性が低い」、5%は「非常に可能性が低い」と回答し、「不明」と
    回答した学長は全体の5%。
  • 学生寮を提供する大学約230校のうち、51%は2020年秋学期に少なくとも一部の学生寮で学生を受け入れる「可能性が非常に高い」
    と回答し、約40%が「可能性がある」と回答。また、学生寮を提供する大学学長の65%は、検査結果が陽性と診断された学生を
    隔離するための居住施設を用意する計画。
  • 対面式講座再開を決定する上で影響力が非常に高いステークホルダーは、州知事(75%)、州衛生局(72%)、疾病管理予防センター
    (63%)など。また、学生及びその家族の「影響力が非常に高い」「影響力がある」と回答した学長を合わせると、全体の84%。
  • 全体の53%は、キャンパス内でのマスク着用を義務付けると回答し、48%は教職員に個人用保護具(PPE)を提供すると回答。
    また、36%は教職員に定期的な検温を義務付けると回答し、33%は学生に定期的な検温を義務付けると回答。
    さらに、66%は、教職員及び学生に対してキャンパスに戻る前に新型コロナウイルス検査を義務付けるか否かを検討中。
  • 2020年秋学期を短期間に区切る計画と回答した学長は12%のみ。52%は現在も検討中で、36%は短期間に区切る改革なし。
  • 学長の62%は、高齢もしくは免疫系に問題のある教職員に対しては在宅勤務を許可する計画。
  • 学長の61%は、ソーシャルディスタンシング奨励のために、実験室やスタジオを使用する講座の受講者数を制限する予定。
    また、教職員による出張の制限(60%)、全般的に講座受講者数を制限(60%)、学生による旅行の制限(52%)などを計画。
  • 学長全体の42%は全ての留学プログラムを中止する計画で、48%は検討中、9%は予定通りに実施する計画。
  • 80%の学長は、世界的流行により所属大学の次年度収入は減少すると予想。14%は不明、3%は増加の見込み。
  • 学長の67%は、2020年秋学期の在籍者数は前年同期よりも減少すると予想。

 
5月21日
 


American Council on Education: College and University Presidents Respond to COVID-19: May 2020 Survey

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ