【ニュース・アメリカ】米国大学学長、大半は所属大学の今後10年間の財務安定性に自信

 
高等教育関連情報を発信するインサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher ED)社は2019年3月8日、米国大学学長を対象として調査会社のギャラップ(Gallup)社と共同で実施した調査結果をまとめた報告書「2019年大学学長調査(2019 Survey of College and University Presidents)」を発表した。本報告書は、米国の2年生・4年制大学学長784人からの回答に基づいて作成されたもので、これによると、大半の学長が、

  1. 出願者合否判定の際の積極的差別是正措置導入は正当、
  2. 大学における性的暴行への対応に関し、オバマ政権下の規則では被疑者の権利が軽視され過ぎたのに対してトランプ政権下では過度に重視、
  3. 過去6年間のどの時期よりも、所属大学の今後10年間の財務安定性に対して強い自信、

 
などを表明していることが判明した。但し、学長の7人に1人は、所属大学が今後5年以内に閉鎖・合併の可能性があると回答している。
 
主な結果は以下の通り。

  • 米国大学全般における人種関係に関し、24%が「良好」、1%が「非常に良好」と回答し、前年調査の合計20%からやや増加。一方、所属大学に関しては、63%が「良好」、18%が「非常に良好」と回答。但し、所属大学に関する評価では、男性学長の84%が「良好」もしくは「非常に良好」と回答したのに対し、女性学長では72%のみ。
  • 学長の15%が、所属大学が不適切な条件付きの寄付の申し出を受けたことがあると回答。また、34%が、用途に関する不適切な条件を理由に寄付を拒否したことがあると回答。
  • 共和党による高等教育に対する懐疑的な態度を懸念すると回答した学長は全体の66%で、前年の77%から減少。一方、大学は保守的見解を容認しない場との意見には37%が同意し、前年の32%から増加。
  • 今後10年間の財務安定性に自信を表明した学長は全体の57%で、前年の53%から増加。この割合は、4年制私立大学学長が64%と最高で、公立大学修士課程及び学士課程が49%で最低。
  • 「基本的人権を重視しない国家との関係を見直すべき」との見解に対し、学長の37%が「強く同意」、27%が「同意」すると回答。中でも、コミュニティカレッジ学長は、70%が「強く同意」「同意」すると回答したのに対し、私立学士課程大学学長では52%のみ。

 
なお、本報告書は、「Inside Higher Ed’s 2019 Survey of College and University Presidents.」で必要事項を記入後、ダウンロード可能。
 

2019年3月8日
 
Inside Higher ED:The Mood Brightens: A Survey of Presidents
 

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 教育
レポート 海外センター