【ニュース・アメリカ】米国大学、有色人種学生数は継続して増加するも、入学状況・目標達成度・学資ローン負債レベルなどで人種間格差存在

 
米国教育審議会(American Council on Education:ACE)は2019年2月14日、教育省(Department of Education)、労働統計局(Bureau of Labor Statistics)、国勢調査局(Census Bureau)などを含む11のデータソースから入手した200以上の指標を検証した報告書「高等教育における人種・民族 ~現状報告書~(Race and Ethnicity in Higher Education: A Status Report)」を発表した。これによると、米国大学における有色人種学生数は継続して増加しているものの、入学状況、目標達成度、学資ローン負債レベルなどにおいて人種間格差が依然として存在することが判明した。
 
主な結果は以下の通り。

  • 学士課程在籍学生全体の中で有色人種学生の占める割合は、1995-96学年度から2015-16学年度の20年間で約30%から45%に増加しており、大半はヒスパニック系学生数の増加によるもの。
  • ヒスパニック系学生の卒業率は他の人種・民族グループと比較して低い。
  • 2016年の黒人学生の中退率は、全セクタにおいて他のいずれの人種・民族グループよりも高い。
  • 黒人学生による学資ローン利用率や負債額は高く、アジア系及びヒスパニック系学生による学資ローン利用率は最低。特に、黒人大学院生の場合、博士課程学生の約50%が営利大学に在籍しており、営利大学から博士号を付与された黒人学生の95%が学資ローンを利用し、平均負債額は12万8,359ドルと高額。
  • 米国先住民・アラスカ先住民・ハワイ先住民・太平洋諸島出身学生の教育成果に関する正確な全米データは、現在も不十分。
  • 1996年~2016年の間に、学士課程に在籍する非白人学生が全体に占める割合は29.6%から45.2%に増加し、非白人大学院生では20.8%から32.0%に増加したにもかかわらず、大学教員・職員・管理者は依然として白人が大半。

 
なお、本報告書は、『A Status Report』[PDF:14.24MB]から、
エグゼクティブサマリーは、『A Status Report Executive Summary』[PDF:5.15MB]から、それぞれダウンロード可能。
 
2019年2月14日
 
American Council on Education:ACE Unveils New Resource on the Status of Race and Ethnicity in Higher Education

地域 北米
アメリカ
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