【ニュース・アメリカ】米国における医療・衛生R&D投資は増加傾向

 
非営利機関のリサーチ・アメリカ(Research!America)は、報告書「医療・衛生研究開発への米国投資:2013~2017年(U.S. Investments in Medical and Health Research and Development:2013-2017)」を発表した。
 
本報告書によると、米国における医療・衛生分野での研究開発(R&D)への投資総額は、2013年~2017年の5年間で27%増加しており、2017年の投資額全体の67%は企業によるもので、連邦政府の22%がこれに続くという。また、2017年の連邦政府による医療・衛生R&D支出の82.1%に相当する324億ドルは、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)によるものであったとしている。さらに、大学・独立研究機関・独立病院医療研究センターを含む学術・研究機関が、大学基金・寄付金などから拠出した2017年の医療・衛生R&D支出は142億ドル超に増加した。
 
リサーチ・アメリカ会長のマイケル・キャッスル(Michael N. Castle)氏は、全般的にみると、衛生関連R&Dに対する米国の投資は増加傾向にあるものの、R&D戦略が必要であるとコメントしている。
 
その他の主な結果は以下の通り。

  • 産業セクタによるR&D投資では、バイオ製薬企業が占める割合が最大で、2017年では全体の53%。また、米国拠点の製薬会社上位25社のうち、17社がR&D投資額を前年から増加させ、8社は製薬関連R&Dに10億ドル以上を投資。
  • 上記5年間で、連邦R&D投資は不均衡で、NIHは2017年の投資額が2016年から20億ドル増であったのに対し、疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)や医療研究品質庁(Agency for Healthcare Research and Quality:AHRQ)は過去2年間に亘り予算が横ばいもしくは縮小。
  • 今後2年間は連邦政府投資額が増加する見通し。

なお、本報告書は、
https://www.researchamerica.org/sites/default/files/Policy_Advocacy/2013-2017InvestmentReportFall2018.pdf[PDF:237.51KB]
からダウンロード可能。
 
2018年11月20日
 
Research!America:Strong but Uneven Spending in Medical and Health Research and Development Across Sectors over Five-Year Period

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