【ニュース・アメリカ】次期教育長官候補のベッツィー・デボス氏、公聴会における公立校に関する質問に対しては明確な回答を回避

新政権下での教育長官候補に指名された共和党支持の慈善家ベッツィー・デボス氏(Betsy DeVos)は2017年1月17日、連邦議会上院による教育長官就任承認に関する公聴会において、公立校の強力な擁護者となることを宣誓した。しかし、伝統的な公立校に対する連邦資金の維持を約束することはなかった。また、伝統的公立校を守る具体策に言及することはなく、連邦特別教育法(federal special education law)の施行に関しては、州政府に委ねると回答した。さらには、各議員による質問が1回のみで5分間と制限されたため、上院少数党院内総務のチャック・シュマー上院議員(ニューヨーク州選出民主党)は、デボス氏の公聴会は「見せかけの手続き」として非難し、政府倫理局(Office of Government Ethics)による審査結果なしでの公聴会は無効と主張している。同公聴会での主な質疑応答は以下の通り。

  • チャータースクールの強力な支持者であるデボス氏に対し、公立校に割り当てられる予算をチャータースクール予算に切り替える意向の有無を確認する質問に対しては、明確な回答を回避。
  • デボス氏の家族が、性的少数派(LGBT)に対する会話療法を通して性的指向の転換を目指す活動を推進する団体への寄付を行っていることに基づく質問に対し、LGBT生徒に対する完全な平等を支持すると回答。
  • トランプ政権下で学校への銃の持ち込みを禁止した「学校銃砲所持禁止区域法(Gun-Free School Zones Act)」を撤廃する動きが出た場合、同法撤廃を支持すると回答し、ワイオミング州の学校ではハイイログマ対策で銃が必要との例を提示。
  • デボス氏が教育関連企業に多額の投資をしていることから、利益相反の可能性を指摘されたことに対し、利益相反はないことを断言するも、政府倫理局による審査の完了後に上院教育委員会からの更なる質問に回答することに関しては約束を拒否。
  • 大学キャンパスで発生した性的暴行事件に対して行われている聴取を証拠の基準として維持することに関し、約束を拒否。

POLITICO:DeVos dodges toughest questions about public school plans

地域 北米
アメリカ
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