【ニュース・アメリカ】教育省、高等教育法の下での大学認証及び連邦学資援助資格取得に関する規則変更案を発表

 
教育省(Department of Education)は2019年1月7日、高等教育法(Higher Education Act)の下での大学認証及び連邦学資援助資格取得に関する規則変更案を発表した。
 
変更案には、

複数の州でオンライン講座を展開する大学に対する要件の緩和、
遠隔学習規則の設定、
大学認証機関による宗教大学の取り扱いの修正、
教員を目指す学生に対する連邦学資援助「ティーチ・グラント(Teach Grant)」の変更、

などが含まれる。
 
これらの新規則策定に関する討議は1月中旬に開始されるが、非常に幅広いテーマを取り扱うため、教育省は、主委員会に加え、3つの小委員会を編成し、今後3カ月に亘って討議を行うことになる。但し、これらの委員会の間で合意に至らなかった場合は、教育省が独自で規則を策定するという。
 
提案内容は、主に大学認証機関に対する連邦政府による監督レベルを緩和するもので、大学認証と学資援助資格付与に関して、認証機関にさらなる柔軟性を提供することになる。ダイアン・ジョーンズ(Diane Auer Jones)首席教育次官代理は、本規則変更により、より手が届きやすく革新的なモデルの開発を大学に奨励できるとしている。非営利擁護機関のハイヤー・ラーニング・アドボケーツ(Higher Learning Advocates)でエグゼクティブディレクターを務めるジュリー・ペラー(Julie Peller)氏は、個々の学生の成果に重点を置かない限り、提案された変更点が有効か否かを判別する手段がないことから、教育の質及び学生の成果を評価する手段が必要と主張している。
 
また、連邦政府が提示する要件に関し、大学による順守状況を大学認証機関が確認する責任を緩和するものとなっており、高等教育認証審議会(Council for Higher Education Accreditation)会長のジュディス・イートン(Judith S. Eaton)氏は、認証機関には歓迎されるとコメントしている。
 
その一方で、営利大学で取得した単位の非営利大学への移行を容易にする規則に関しては、イートン氏は、連邦政府が介入することではないと反論している。さらに、大学認証機関が管轄する州の範囲を3州から10州に拡大するという規則に関しても、同氏は、何を改善するかが疑問で、連邦規則として適切でないとしている。この他、これらの変更案が、教育省が解決しようとする問題解決に繋がるか否かに対しても、疑問が呈されている。
 
なお、規則変更案の詳細は、U.S. Department of Education:Negotiated Rulemaking for Higher Education 2018-19からダウンロード可能。
 
2019年1月7日
 
The Chronicle of Higher Education:Cutting Oversight of Accreditation Will Spur Innovation, Says Education Dept. Critics Say Not So Fast.

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