【ニュース・アメリカ】教育省、連邦学資ローン監督関連の情報共有を終了

教育省(Department of Education)は、高等教育担当長官補佐代行のキャスリーン・スミス(Kathleen Smith)氏と連邦学資援助局(Office of Federal Student Aid:FSA)首席執行官のウェイン・ジョンソン(A. Wayne Johnson)氏が連名で、消費者金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau:CFPB)ディレクターのリチャード・コードレイ(Richard Cordray)氏宛に2017年8月31日付で書簡を送付し、教育省とCFPBとの間で締結された連邦学資ローンの監督関連の情報共有に関する覚書を解除することを通知したと発表した。

 

教育省は、本覚書の目的は、ローン利用者の負担を軽減し、サービス提供企業による業務の効率性を向上させることであったが、CFPBが本来の管轄領域を超えた越権行為をしていると非難した他、学資ローン利用者からの苦情を10日以内に教育省に提出するという規定を順守しなかったと指摘している。

 

トランプ政権下では、営利大学監督を調整する省庁間タスクフォースの活動が行われなくなるなど、営利大学に対する監督が弱まる傾向がみられているが、CFPBは、営利大学及び学資ローンサービス企業に対して強硬な姿勢をとり続け、学資ローンを取り扱う金融機関に対する訴訟を可能とするような、仲裁契約を禁止する新規則の設立などを行ってきたことから、連邦議会の共和党議員から攻撃の対象となっていた。

 

オバマ政権下で教育省の上級政策アドバイザーを務め、現在は無党派系シンクタンク「ニューアメリカ(New America)」で連邦高等教育政策担当ディレクター代理を務めるクレア・マッキャン(Clare McCann)氏は、この情報共有終了について、トランプ政権下で省庁間協力が崩壊した例であり、ローン利用者にとっては悪い知らせとし、教育省によるローン利用者に対する保護を組織的に廃止する取り組みであるとコメントしている。

 

2017年9月5日

 

Inside Higher ED:Education Dept. Ends Partnership With CFPB(教育省からCFPBディレクター宛に送付された書簡PDFあり)

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