【ニュース・アメリカ】教育省、警察に照会される黒人生徒の割合が不相応に大きいことを提示した「2015-16学年度公民権データコレクション」を発表

 
教育省(Department of Education)は2018年4月24日、2015-16学年度の公民権データコレクション(Civil Rights Data Collection:CRDC)を発表した。
 
これによると、全米の公立校に在籍する生徒のうち、黒人生徒の割合は約15%であるのに対し、逮捕された、もしくは警察に照会された生徒の31%は黒人であることが明らかにされた。一方、白人生徒が全体に占める割合は49%であるのに対し、逮捕されたり警察に照会されたりした生徒の中で白人が占める割合は36%となっている。
 
黒人生徒の在籍者数全体に占める割合と、警察に照会された生徒の中で占める割合との間での格差16ポイントは、2013-14年度調査データの格差11ポイントをさらに上回った。
 
また、人種を理由に嫌がらせ・いじめを受ける生徒の中で黒人生徒が占める割合も35%で、不相応に大きな割合となっている。この傾向は、停学・退学処分を受ける生徒の割合にも表れており、黒人男子生徒は、在籍男子生徒全体の8%であるのに対し、停学処分を受ける生徒全体の25%、退学処分を受ける生徒全体の23%を占めている。
 
なお、ベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官は、オバマ政権下で施行されていた、黒人生徒が白人生徒よりも厳しい処罰を受けることを防止するための指針の撤回を検討しており、2018年3月に開催された公聴会において、バーバラ・リー(Barbara Lee)下院議員(カリフォルニア州選出民主党)から、黒人及びヒスパニック系の子ども達の公民権を重視していないと非難されている。
 
2015-16学年度CRCDは、「2015–16 CIVIL RIGHTS DATA COLLECTION – SCHOOL CLIMATE AND SAFETY」(PDF:2.8MB)からダウンロード可能。
 

2018年4月24日
 
The Hill:Education Department data shows black students are disproportionately suspended, arrested

 

地域 北米
アメリカ
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