【ニュース・アメリカ】教育省、投獄歴のある学生にペルグラントを支給するパイロットプログラム「セカンドチャンス・ペル」に参加する大学67校を発表

教育省(Department of Education)は2016年6月24日、投獄歴のある個人に対して連邦学資援助へのアクセスを拡大することにより、質の高い教育プログラムへの参加が増加するか否かを検証するパイロットプログラム「セカンドチャンス・ペル(Second Chance Pell)」に参加する大学67校を選出したことを発表した。

 

本プログラムは、一定条件を満たす投獄歴のある米国人に対し、低所得層学生を対象とした連邦奨学金「ペルグラント(Pell Grant)」を受給して大学での教育を受ける機会を提供し、刑期を終えた受刑者が就職して家族を経済的に支えられるように支援することを目指している。

 

米国は、受刑率が世界で最も高く、約220万人が刑務所で服役中で、毎年数千人が釈放されているが、更生教育プログラム参加者は、3年以内に再び投獄される確率が、同プログラム不参加者と比較すると43%低く、また、更生教育プログラムへの投資1ドルにつき、再収監者に要する3年間のコスト4~5ドルが節約可能とする研究結果が、ランド社(RAND Corporation,)により2013年に発表されている。

 

ジョン・キング教育長官(John B. King Jr)は、投獄歴のある個人に対する教育及び職業訓練の促進により、コミュニティの安全と税金の節約に好影響を与えることは明白と発言し、同プログラムに参加する大学の取組みを称賛した。これらの大学が提供する教育・職業訓練プログラムには、投獄歴のある学生約1万2,000人が参加するものと予測されている。

 

なお、本プログラムに参加する大学67校のリストは、以下よりダウンロード可能。
Institutions selected for participation in the Second Chance Pell experiment in the 2016-2017 award year[PDF:461.5KB]

 

U.S. Department of Education:12,000 Incarcerated Students to Enroll in Postsecondary Educational and Training Programs Through Education Department’s New Second Chance Pell Pilot Program

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
学生の経済的支援 学生向け奨学金