【ニュース・アメリカ】教育省、学生を性的虐待から保護する義務を怠ったとしてミシガン州立大学に罰金450万ドルとシステム改革を要求(9月5日)

教育省(Department of Education)は9月5日、クラーリー法(Clery Act)が定める性的虐待から学生を保護する義務を怠ったとして、ミシガン州立大学(Michigan State University)に過去最高となる罰金450万ドルを科し、学生を性的虐待から保護するシステムの大幅改革を義務付けたと発表した。これまでにクラーリー法違反で大学が罰金を科された中では、ペンシルバニア州立大学(Pennsylvania State University)に対する240万ドルが最高額であった。
 
今回の措置は、同大学元チームドクターのラリー・ナサール(Larry Nassar)受刑囚による、女子体操選手への長年に亘る性的虐待が明らかにされたことを受け、ベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官からの指示の下で、連邦学資援助局(Office of Federal Student Aid:FSA)と人権局(Office for Civil Rights:OCR)が実施した調査2件の結果に基づくものである。同大学のサミュエル・スタンレー(Samuel L. Stanley Jr.)学長は、教育省による発表後、同大学のジューン・ユーアット(June Youatt)総長が、ナサール受刑囚が同大学在職中の上司であった元学部長のウィリアム・ストランペル(William Strampel)受刑囚に対して適切な処分を下さなかったことへの責任を取り、同日辞任したことを発表した。
 
また、スタンレー学長は、大学が教育省からの指摘に完全に対応するために、新たに監督委員会を立ち上げたことも明らかにしている。なお、ナサール受刑囚から被害を受けた女性多数の弁護人を務めるジョン・マンリー(John C. Manly)氏は、大学基金数十億ドルを持つ同大学に対して、罰金450万ドルのみを科すという教育省の処分は不十分との不服を表明し、大学理事の辞職を要求した。
 

The Chronicle of Higher Education: 
The Chronicle of Higher Education, Education Dept. Levies $4.5-Million Fine Against Michigan State Over Nassar Scandal
 
U.S. Department of Education: 
Department of Education, Secretary DeVos Levies Largest-Ever Clery Fine Against Michigan State University, Requires Major Corrective Action Following Systemic Failure to Address Sexual Abuse

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育