政府説明責任局（Government Accountability Office：GAO）は2018年12月21日、2015年度～2018年度の間の中小企業イノベーション研究（Small Business Innovation Research：SBIR）プログラム実施状況を検証した報告書「中小企業イノベーション研究 － 複数のベンチャーキャピタル企業、ヘッジファンド、もしくは、未公開株式投資会社が過半数株主である中小企業に助成する省庁は少数 －（Small Business Innovation Research: Few Agencies Made Awards to Small Businesses Majority-Owned by Multiple Venture Capital Operating Companies, Hedge Funds, or Private Equity Firms）」を発表した。
 
SBIRプログラムは、中小企業への研究開発助成を通して技術イノベーションの促進を目指すもので、外部研究開発費を年間1億ドル以上支出する連邦省庁が、外部研究開発助成額全体の2.5％を中小企業に取り分けるというものである。2012年には、技術イノベーションを生み出す中小企業に対するベンチャーキャピタル投資の増加を目的として、ベンチャーキャピタル等が過半数株主となる中小企業もSBIR助成の対象として認められることになった。
 
本報告書では、当該期間中にSBIRプログラムを実施した連邦省庁11省庁における、投資会社・ファンドが過半数株主となる中小企業への助成状況が検証されている。具体的に、これらの中小企業に助成した省庁は、厚生省（Department of Health and Human Services：HHS）管轄の国立衛生研究所（National Institutes of Health：NIH）、エネルギー省（Department of Energy：DOE）のエネルギー高等研究計画局（Advanced Research Projects Agency-Energy：ARPA-E）、及び、教育省（Department of Education）の教育科学研究所（Institute for Education Sciences：IES）の3省庁で、合計62件、総額4,360万ドルの助成が行われた。これは、厚生省・エネルギー省・教育省の3省のSBIRプログラム費総額の0.1～2.7％に相当する。
 
また、今回の調査対象となった全ての年度において、これらの中小企業に助成した省庁はNIHのみであった。
 
本報告書は、GAO：Small Business Innovation Research［PDF：319.84KB］からダウンロード可能。
 
2018年12月21日
 
GAO：Small Business Innovation Research: Few Agencies Made Awards to Small Businesses Majority-Owned by Multiple Venture Capital Operating Companies, Hedge Funds, or Private Equity Firms