【ニュース・アメリカ】性的マイノリティ学生の30%、精神衛生状態を理由に大学退学を検討

 
大学ランキング情報やオンライン講座などを提供するベストカレッジズ社は、性的マイノリティ(LGBTQIA+)大学生308人を対象に実施した調査結果を発表した。これによると、約30%の性的マイノリティ学生は精神衛生状態を理由に退学を考えたことがあると回答し、58%は大学進学後に精神衛生状態が悪化したと回答した。その他の主な結果は以下の通り。

  • 大学進学後に精神衛生状態が悪化したと回答した学生の72%は、過去1年間の大半において自信喪失を感じていたと回答。また、75%は不安症、64%は鬱症、38%は自殺念慮を経験。
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  • 人種別に見ると、大学進学後に精神衛生状態が悪化したと回答した非白人性的マイノリティ学生は全体の61%であったのに対し、白人学生では56%。
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  • 不安症、鬱症、燃え尽き症候群、絶望感、自信喪失の症状を経験した性的マイノリティ学生の割合は、それぞれ66%、53%、64%、46%、63%で、そうでない学生の49%、34%、41%、29%、45%をいずれも上回る。また、社会的孤立・孤独感(52%対34%)、先延ばしの増加(62%対39%)、モチベーションの低下・集中力の欠如(65%対40%)についても、性的マイノリティ学生がそうでない学生よりも経験する確率が高い傾向。
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  • 過去1年間に自殺を考えたことがある性的マイノリティ学生は全体の30%であるのに対し、そうでない学生では16%。
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  • 性的マイノリティ学生の92%は、精神衛生状態が大学生活において少なくとも1つの側面に悪影響を及ぼしたと回答。また、53%は基本的ニーズを満たすための努力を怠り、49%は学業もしくは大学生活への関心を喪失したと回答。
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  • 性的マイノリティ学生は、支援を求める対象として、友人(66%)、保護者(46%)を挙げているが、保護者を挙げた学生の割合は性的マイノリティでない学生(60%)を下回る。
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  • 性的マイノリティ学生の71%は、精神衛生支援プログラム・サービスを利用したことがあると回答。35%の学生は、費用の問題が利用の障壁になると回答。

 
6月9日


BestColleges: 30% of LGBTQIA+ College Students Have Considered Dropping Out Due to Mental Health


地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の多様性