【ニュース・アメリカ】州政府による州立大学への助成、2017年の拠出額が2008年を上回る州は全米で5州のみ

予算・政策優先事項センター(Center on Budget and Policy Priorities)は2017年8月23日、景気後退のあった2008年から2017年までの10年間での州政府による州立大学への助成を検証した報告書「高等教育資金の失われた10年間~州政府による助成削減に伴う授業料高騰と質の低下~(A Lost Decade in Higher Education Funding:State Cuts Have Driven Up Tuition and Reduced Quality)」を発表した。

 

これによると、2016~17学年度の州政府による公立2年制・4年制大学に対する拠出額は、全米では2008年レベルを約90億ドル下回ることが明らかにされた。また、州政府からの助成削減により、大学は収支バランスを取るために、授業料の値上げを行い、教員数の削減及び開講する講座の制限や、キャンパスの閉鎖などといった対応を余儀なくされ、大学教育から受ける恩恵がかつてないほどに高まる中、大学が手の届きにくいものとなり、大学教育を最も必要とする学生の進学機会を制限しているという。インフレ調整後の主な結果は以下の通り。

  • ウィスコンシン州を除く49州で2008年~2017年の州政府による州立大学への助成を検証した結果、2017年の拠出額が2008年を上回る州は、インディアナ州・モンタナ州・ネブラスカ州・ノースダコタ州・ワイオミング州の5州のみ。
  • 州政府からの拠出額は景気後退後に大幅に削減され、2017年の学生1人あたりの拠出額は、2008年と比較して平均1,448ドル減(16%減)。
  • アラバマ州・アリゾナ州・イリノイ州・ルイジアナ州・ニューメキシコ州・オクラホマ州・ペンシルバニア州・サウスカロライナ州の8州では、2017年の学生1人あたりの拠出額は、2008年と比較して30%以上減額。
  • 2017年の学生1人あたりの拠出額が2016年を下回った州は13州で、このうち、アラスカ州・カンザス州・オクラホマ州・ウエストバージニア州・ウィスコンシン州の5州は2年連続で減少。
  • 2017年の学生1人あたりの拠出額が2016年を上回った州は36州で、平均170ドル増(2.2%増)。

 

Center on Budget and Policy Priorities:A Lost Decade in Higher Education Funding:State Cuts Have Driven Up Tuition and Reduced Quality

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
研究支援 研究助成・ファンディング