【ニュース・アメリカ】家族で初めての大学進学者、親も大学進学者である学生とは異なる特有のリスクに直面

教育省(Department of Education)の教育科学研究所(Institute of Education Sciences:IES)は2017年9月26日、家族で初めての大学進学者とそうでない学生とを比較した研究報告書「家族で初めての大学進学者と親も大学進学者である学生~高校及び高等教育における経験の比較~(First-Generation and Continuing-Generation College Students:A Comparison of High School and Postsecondary Experiences)」を発表した。

 

本研究は、全米から抽出されたサンプル学生グループを、当時高校2年生(10年生)であった2002年から2012年まで追跡し、家族の中で最初の大学進学者となった学生と、少なくとも片方の親が学士号を取得している学生との間での違いを比較した。

 

その結果、家族で初めての大学進学者である学生は、高校から大学卒業までの間に学業面で後れを取るリスクが高いことや、高校卒業後に大学に入学するまでの期間が長いことなど、特有の脆弱性があるために学士号取得率が低く、25歳までに学士号を取得する割合は、親も大学進学者である学生では全体の43%であるのに対し、家族で初めての大学進学者である学生では20%に留まることが明らかにされた。
また、大半の学生は大学学位取得を希望しているにもかかわらず、家族で初めての大学進学者は、そうでない学生よりも高校での成績が低い傾向がある他、SATやACTなどといった大学進学試験の受験を考えていない割合が高いことが判明した。さらには、家族で初めての大学進学者の27%が家族の年収が2万ドル未満、約半数が2万~5万ドルで、親が大学進学者である学生のそれぞれ6%と23%を大きく上回るなど、金銭面での問題も大きく、大学を中退した家族で初めての大学進学者である学生の54%が金銭的問題を中退の理由として挙げているのに対し、親も大学進学者である学生では45%であった。

 

なお、本報告書は、以下よりダウンロード可能。
National Center for Education Statistics:First-Generation and Continuing-Generation College Students:A Comparison of High School and Postsecondary Experiences[PDF:880.45KB]

 

EDUCATION WEEK:First-Generation College Students Face Special Risks, Study Finds

地域 北米
アメリカ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
その他 その他
統計、データ 統計・データ