2017年3月30日、ボストン大学(Boston University、マサチューセッツ州)が主導する世界最大規模の官民パートナーシップであるCARB-Xは、抗生物質耐性菌による感染症の治療を目的とした新しい抗菌・診断法の開発を促進するために、米国及び英国のバイオ技術企業及び研究チーム11組織に対して総額2,400万ドルを助成し、また、今後3年間に亘り、マイルストーンの達成に応じてさらに最高2,400万ドルを助成することを発表した。
本助成は、民間企業からの拠出と合わせ、これらのプロジェクトに対する投資総額は7,500万ドル超となる。今回選出されたプロジェクトは、いずれも初期段階にある研究プログラムで、3つの新しい分類の小分子抗生物質が含まれる可能性がある他、4つの革新的な非従来型製品を準備中で、薬剤耐性に関しては、7つの新しい細菌を標的としている。
また、これらのプロジェクトが開発に取り組む新薬は、疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)及び国際連合(United Nation)の世界保健機構(World Health Organization:WHO)によって優先されているグラム陰性菌に関するものである。
今回の助成は、2016年7月28日に立ち上げられたCARB-Xによる第1フェーズの助成で、CARB-Xは、臨床前発見と、少なくとも20種類の新しい抗菌製品の開発を促進し、5年以内に少なくとも2つの新製品を臨床試験へと移行させるために、今後5年間に最高4億5,000万ドルを投資することを目指している。