【ニュース・アメリカ】学費が高額で授業・学生関連の支出が多額な大学は卒業率が高い傾向

オレゴン州立大学(Oregon State University)教育学部准教授のグロリア・クリスプ(Gloria Crisp)氏、アイオワ州立大学(Iowa State University)のエリン・ドーラン(Erin Doran)氏、ハワイ大学マノア校(University of Hawaii at Mānoa)のニコール・アリア・サリス・レイエス(Nicole Alia Salis Reyes)氏は、連邦政府の統合高等教育データシステム(Integrated Postsecondary Education Data System)に基づき、2007~08学年度及び2014~15学年度の全米4年制大学約400校の人口統計学的データと卒業データを検証した。

 

本研究では、出願者の約80%が合格する競争率の低い大学に重点を置いているが、これらの大学はラテン系学生が占める割合が高く、貧困で教育環境が不十分な学生が多いことから、入学後6年以内での卒業率は約40%で、競争率の高い大学での卒業率56%を大きく下回る傾向がある。クリスプ氏らは、今回実施した調査から、授業料及び学術関連手数料が他大学よりも高く、授業及び学生関連の支出が他大学よりも大きな大学において、学生の卒業率が高い傾向にあることを明らかにした。その他の主要な調査結果は以下の通り。

  • 2014~15学年度のデータでは、女子学生の在籍数が増加すると卒業率が上昇する傾向を提示。
  • 競争率の低い大学は、他大学よりも黒人及びラテン系学生が多い傾向。
  • 都市部・郊外・遠隔地などといった大学所在地の環境は、大学卒業率に影響を与えないことが判明。

なお、本研究結果は、学術誌「高等教育研究(Research in Higher Education)」に掲載されている。

 

2017年7月12日

 

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