【ニュース・アメリカ】学生の学費負担軽減を目的とした3年制学士課程、カリキュラムなどの問題で十分に機能せず

 
非営利公共政策シンクタンクの革新政策研究所(Progressive Policy Institute:PPI)は2018年5月10日、大学学位取得のために学生が負担する学費を抑えるために一部の大学が導入している3年制学位プログラムの現状を分析した報告書「3年制学士課程提供大学と、それが機能しない理由(Which colleges offer three-year bachelor’s and why aren’t they working?)」を発表した。
 
同報告書を執筆したPPI上級フェローのポール・ワインスタイン氏(Paul Weinstein)は、議会からの奨励により、少なくとも大学32校が3年制学士課程を提供しているものの、現時点で関心を持つ学生は僅かとしている。
 
同氏は、問題点の1つとして、4年間のカリキュラム内容を3年間に凝縮しただけであるため、非常に意欲の高いごく一部の学生しか関心を示さない点を挙げた。また、3年制課程を提供する大学の一部は、期間を4分の1短縮したにもかかわらず、学位取得に要する学費を25%削減していないことを指摘し、連邦学資援助対象となるプログラムは、学費25%削減の条件を満たす課程のみにすべきと提言した。
 
ワインスタイン氏は、3年制学士課程を学生にとって魅力ある選択肢とするためには、不必要な選択科目や一般教養科目の履修を割愛するなど、大学がカリキュラムの大幅改革に取り組むべきと提案している。
 
なお、本報告書は、「Which colleges offer three-year bachelor’s and why aren’t they working?」(PDF:2.4MB)からダウンロード可能。

 

2018年5月10日
 
Progressive Policy Institute:Which colleges offer three-year bachelor’s and why aren’t they working?
 

National Association of Student Financial Aid Administrators:Think Tank Pushes for Three-Year Degree to Increase College Affordability

 

地域 北米
アメリカ
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