スタンフォード大学教育大学院の研究者チームによる研究結果をまとめた論文「当該分野における性別を意識した知識と学術キャリア」から、女性的と考えられる学術研究に対する潜在的偏見が広く存在することが明らかにされた。本研究では、1980年以降に米国大学で執筆された博士論文約100万本を分析した結果、女性に関連するテーマの論文や、女性に関連する手段を用いた論文を執筆した研究者は、そのような論文を執筆しなかった研究者と比較して、上級大学教員職に就く可能性が低い傾向があったとしている。
これは、フェミニスト研究やジェンダー研究に対する偏見という訳ではなく、伝統的に女性の役割とされてきた分野に関連するテーマ・研究に対して潜在的偏見があることが問題であるという。具体的に、「育児」「子ども」「関係」などという用語が要約に含まれる博士論文を執筆した研究者は、「アルゴリズム」「効率性」「戦争」などの用語が要約に含まれる博士論文を執筆した研究者よりも就職の見通しが厳しく、この傾向は、同一分野においてもみられるという。なお、本論文は、2022年1月発行の「リサーチポリシー」誌に掲載予定である。
12月16日
Stanford University: Stanford research reveals a hidden obstacle for women in academia
地域 | 北米 |
国 | アメリカ |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
大学・研究機関の基本的役割 | 研究 |
人材育成 | 研究人材の多様性 |
統計、データ | 統計・データ |