ボストン大学(Boston University)のバージニア・サピロ(Virginia Sapiro)氏とノートルダム大学(University of Notre Dame、インディアナ州)のデービッド・キャンベル(David Campbell)氏は、米国政治科学協会(American Political Science Association:APSA)会員を対象とした、APSA年次総会において受けた性的嫌がらせ及び不適切な行為に関する調査結果をまとめた報告書「年次総会における性的嫌がらせに関する2017年APSA調査報告書(Report on the 2017 APSA Survey on Sexual Harassment at Annual Meetings)」を発表した。
これによると、調査に回答した会員2,424人のうち、63%は性的嫌がらせや不適切な行為を一度も経験したことがないとしたが、男女別で見ると、被害を受けたことがないと回答したのは男性74%、女性51%で、大きな差があることが明らかになった。
主な結果は以下の通り。
- 女性の42%と男性の22%は、年次総会において「恥をかかされた」もしくは「見下された」経験があると回答。
- 女性の30%と男性の10%は、性差別的発言や凝視などといった、不快感を伴う不適切な言動を受けたことがあると回答。
- 女性の11%と男性の3%は、不適切な性的アプローチを受けたことがあると回答。
- 嫌がらせ・不適切な行為の経験者には、人種・民族間での顕著な違いはなし。
- 非テニュア教員は、テニュア教員・大学院生・ポスドク研究員よりも嫌がらせ・不適切な行為を経験した割合が高い。
なお、本報告書は、「Report on the 2017 APSA Survey on SexualHarassment at Annual Meetings」で閲覧可能。
2018年1月2日
Inside Higher ED:Harassment at Annual Meetings