【ニュース・アメリカ】大統領府、2019年度R&D予算における優先事項を各省庁長官に通達

大統領府行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)のミック・マルバニー(Mick Mulvaney)長官と科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)の大統領補佐代理マイケル・クラツィオス(Michael Kratsios)氏は2017年8月17日、トランプ政権による2019年度の研究開発(Research and Development:R&D)予算における優先事項に関するメモを、各連邦省庁長官宛に連名で送付した。

 

このメモは、各省庁での予算案作成にあたっての指標として使用されることを意図して送付されたもので、R&D優先分野として、

  • 米国の軍事力優位性---米軍の将来の活動を支援するR&Dへの投資
  • 米国の安全保障---米国の重要インフラへの物理的脅威及びサイバー攻撃に対する安全保障及び耐障害性を強化するためのR&Dへの投資
  • 米国の繁栄---経済成長の支援を目的とした基礎研究への継続的投資の奨励と民間セクタとの後期R&Dにおける重複の回避
  • 米国のエネルギー支配力---米国のエネルギー資源の安全性及び効率性の確保を目的とした革新的技術R&Dの早期段階に対する投資
  • 米国の保健衛生---高齢化対策や薬物依存を含む公衆衛生問題の解決に重点を置いたR&Dの優先順位付け

の5分野を挙げている。

 

また、R&D優先実践事項としては、

  • 政府による説明責任及び効率性の向上
  • 革新的な研究の早期段階に対する支援
  • 省庁間調整の最大化

の3項目を挙げている。
ここでは、新規研究プログラムを検討する場合には、論理的に正しい科学に基づき、既存のR&Dと重複することがないように留意すること、そして、既存のR&Dプログラムに関しては、民間セクタへの移行が可能・適切なプログラムがあれば、それを特定することを指示している。

 

さらには、R&D人材・インフラとして、

  • 将来に重点を置いた人材開発
  • 研究インフラの最新化及び管理

の2点を挙げた。
ここでは、各省庁のプログラムへのSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育の導入や、他省庁・州及び地方政府・民間セクタ・学術機関・国際パートナーなどとの革新的パートナーシップの締結などを推奨している。

 

2017年8月17日

 

The White House:FY 2019 Administration Research and Development Budget Priorities

地域 北米
アメリカ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価