米国教員連盟(American Federation of Teachers:AFT)は4月20日、米国大学に勤務する非常勤教員を対象とした調査結果をまとめた報告書「非常勤軍団 ~2020年AFT非常勤教員労働・生活の質報告書~(An Army of Temps: AFT 2020 Adjunct Faculty Quality of Work/Life Report)」を発表した。
米国の2年制・4年制大学に勤務する非常勤教員3,076人からの回答に基づいて作成された本報告書によると、回答者の約25%は生活保護を受け、約40%は必要最低限の生活費の支払いに苦労していることが明らかになった。
また、全体の約3分の1は年収2万5,000ドル未満、別の3分の1は5万ドル未満で、1講座当たりの報酬は2,000ドル未満~7,000ドル以上と幅があるものの、回答者の約53%は1講座当たりの報酬が3,500ドル未満であることが判明し、これらの回答者は1講座当たり最低5,000ドルが支払われるべきと主張している。
主な結果は以下の通り。
- 勤務先大学から医療保険の提供を受ける回答者は半分未満で、約20%は低所得者用連邦医療保険「メディケイド(Medicaid)」を利用。
- 回答者の約45%は、精神衛生を含む必要な医療ケアを後回しにし、65%は歯科治療を後回しに。
- 41%は雇用の安定を得ることに苦労しており、担当する講座があるか否かは学年度が始まる1カ月前まで不明と回答。
- 全体の75%は、雇用の保証は学期ごとと回答。
- 37%は、退職後にどう生活していけばよいか見通せないと回答。
なお、本報告書は、こちらからダウンロード可能。
4月20日
A Union of Professionals: ‘Army of Temps’ Report Reveals Grave Plight of Contingent College Faculty
Inside Higher ED: Barely Getting By