【ニュース・アメリカ】大学教員による研究の生産性の軌跡、「標準」と考えられてきた軌跡を辿る研究者は全体の20%のみ

 
コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)ポスドク研究員のサミュエル・ウェイ(Samuel Way)氏らは、大学教員による研究の生産性に関する研究結果をまとめた論文「標準的な教員による生産性の軌跡に関して誤解を招く恐れのある談話(The misleading narrative of the canonical faculty productivity trajectory)」を発表した。
 
本論文は、テニュアトラックにある大学教員は、キャリア初期に研究を発表してから数年後に生産性のピークを迎え、テニュアの地位を獲得後は退職まで徐々に生産性が低下するという軌跡が一般的とする見方に関して、誤解を招く可能性があると警告している。
 
ウェイ氏らは、米国及びカナダの大学のコンピュータ科学部205学部に所属するテニュアトラック教員2,400人超に関し、発表された論文20万件以上を使用して研究の軌跡を検証した。その結果、標準的と言われる「急激に上昇して徐々に低下する」という軌跡を辿る研究者は全体の約20%で、残りの80%の研究者のキャリアにおける生産性の軌跡は多様であることが明らかにされた。
 
ウェイ氏は、同研究結果は、大学における教員採用や研究助成の決定の他、テニュア及び退職に関する方針決定にも影響を与える可能性を示唆している。
 
なお、本論文の要約は、「The misleading narrative of the canonical faculty productivity trajectory」から閲覧可能。
 
2017年10月18日
 
Inside Higher ED:Productivity:Age Is Just a Number
 
The Chronicle of Higher Education:Professors’ Productivity Declines With Age, Right? Maybe Not.
 

地域 北米
アメリカ
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