バブソン調査研究グループ(Babson Survey Research Group)は2019年1月9日、大学教員及び学部長4,000人超を対象に実施した、大学の教科書・教材費に関する意識調査結果をまとめた報告書「教科書の無料化 -2018年米国高等教育における教育リソース- (Freeing the Textbook: Educational Resources in U.S. Higher Education, 2018)」を発表した。
これによると、教員の60%以上は、教科書・教材費は学生にとって深刻な懸念事項と回答し、学生による負担を軽減するために、中古教材購入の推奨、より低価格の教材選択、独自の教材作成などを行う教員が多数であることが判明した。また、80%以上の教員は、教科書の内容の正確性に満足している一方で、独自で何らかの変更を加えているという。
さらに、オープンライセンス教材の授業での使用を推奨するオープン教育リソース(open educational resources:OER)の取り組みに関しては、初級レベルの講座を担当する教員の22%が必須教材としてOERを導入しており、前年の15%から増加した。但し、今後3年以内にOERを使用する、もしくは使用を検討すると回答した教員は、それぞれ6%と32%で、前年から僅かに減少している。その他の主な結果は以下の通り。
- オンライン宿題システムを導入している教員は全体の37%。但し、定期購入システムを利用する教員は7%のみ。
- 学生が教科書を購入しない理由に関し、教員の52%は価格が主因と回答し、38%は購入の必要性を学生が感じないためと回答。
- デジタル教材及びOERに対する教員の考えは様々であるが、デジタル教材を好む教員数が紙媒体教材を好む教員数を上回る。
なお、本報告書は、Freeing the Textbook: Educational Resources in U.S. Higher Education, 2018[PDF:1.67MB]からダウンロード可能。
2019年1月9日
The Chronicle of Higher Education:Professors Worry About the Cost of Textbooks, but Free Alternatives Pose Their Own Problems